児童養護施設から自立した話

児童養護施設出身の筆者が綴る大したことのない日常の話

母について

id:momo_chocolate様より

コメントを頂きました

 

はじめまして。

興味深い話ばかりで、時々 読ませていただいてます。

これまでのお文章の中に出てこられたお母さまに対するヨウさんの現在のお気持ちとか、自身が子供の頃と現在の気持ちの違いとか、今後の考えとか、
いつかお母さまのことを中心にかかれた文章を読んでみたいです。
突然に失礼いたしました🙇‍♂️

 

 

お題をいただけたこと

そして

当ブログを見ていただいていることに感謝し

今回は

母のことについて書きたいと思います

 

 

 

 

 

現在

私にとって母は

なくてはならない存在であり

なくなってほしい存在でもある

 

 

私は

勉強はそこそこ

スポーツはダメダメ

学校に上手く適応できるタイプではなく

友達も少なかった

いじめを受けたことも少なからずあり

できることなら不登校にでもなりたかった

 

弟妹の年が近かったことと

母に心配をかけたくなかった手前

辛いながらも学校にはきちんと通った

それなりにお勉強はできたためか

先生受けはそこそこよかった

 

そんな自分を

母はいつも守ってくれた

勉強でいい点が取れれば目一杯褒めてくれた

悲しくて泣いた時は慰めてくれた

合唱コンクールでソロパートを歌った時は

「あんたが1番歌うまかったよ。」

と褒めてくれた

高校が決まった時も

1番喜んでくれた

片親ながら

良くも悪くも普通の親でいてくれた

 

 

 

母が精神病を患い

入退院を繰り返し始めた頃

母の精気が無くなっていったことを

ひしひしと感じていた

 

今まで私たち兄妹をシャキッとさせていた母が

朝早く起きれず

毎日食事を手作りしていたものが

惣菜や冷凍食品に変わる

小さな変化が積み重なり

気づいた時には

やつれた母が言うに腰掛け

タバコの煙を吐いていた

私はその光景を

なぜか鮮明に覚えている

建て付けの悪い窓の

曇りガラスを通った朝の光が

疲れ切った老魔女を溶かして

煙と共に蒸発しているようだった

 

施設に入り

母から離れ

それなりに楽しい生活を送っていた

母の体調を気にしてはいたが

自宅に帰りたいとは思わなかった

 

いざ、児童養護施設へ - 児童養護施設から自立した話

 

大学に入るまで

母に対しての気持ちは変わらなかった

母のおかげでここまで成長できたと

 

 

 

 

大学に入り

「普通の家庭で育った人」と

多く関わりを持つことになる

親が大学に行く金を出してくれる

車を買ってくれる

実家に帰ったらなんでもしてくれる

私は私自身の家庭環境に疑問を持った

 

「なんで、うちはだれも支えてくれてないんだろう。母は高校に行けとひたすら言ったのに、お金をくれることもない。大学生活はきついのに。」

こんな不満が募りに募った

 

私は

母に反抗したことがなかった

というより

反抗する余地がなかった

反抗期を迎える時期には

母は入退院を繰り返し

反抗するまもなく母の手元から離れた

それが大学になってふつふつと湧き上がり

いつしか母に対する嫌悪感に変わっていた

社会人になってもそうだった

地元に帰った時は

母に食事などを奢ってやった

それでも母は

「お金がないから、お返し何もできんとよね。ごめんね。」と言う

母の病気のことを考えると

当然の流れなのだが

それなら大学入れんなよ!

奢ってもらったんだからありがとうだろ!

ごめんねって言うくらいなら俺を生むなよ!

その頃にはもう

母の一挙一動に嫌気がさしていた

病気の母に直接言うことはないが

心の中で叫んでいた

 

しかし一方で

母に対する感謝の気持ちはあった

少なくとも私たち兄妹を育てたのは母で

無下に扱うことはできないと思った

 

 

 

 

今まで育ててくれた感謝の気持ちはあるが

嫌いで関わりたくないという気持ちも大きかった

母に対する気持ちが

よくわからなくなっていた

 

 

その中でぼんやり答えは持っていたのだが

 

 

 

 

 

 

ある日

兄妹と食事に行った

妹が成人したお祝いも兼ねていたため

お酒も飲んだ

昔の話もたくさんした

その時に私は

私の中のぼんやりとした答えを

弟妹にぶつけた

「俺はさ、正直母さんのこと、嫌い。もう本当に嫌い。今後一切関わって欲しくないと思っとるくらい。やけど、俺らが施設入るまで育ててくれたのは母さんやけん、感謝の気持ちは捨てちゃいけんと思っとる。もし、母さんが死んだ時とか、重病になった時、俺が責任もって金出すなり世話するなりする。それだけは約束する。嫌いやけど、恩義は返す。そう思っとってよかかな?」

弟妹は

私の意見にすぐに同意した

「おれも母さんの考え方、あんま好きやないんよね。」

「わかる!母さんて、理不尽なところあるよね!」

なぜか母の悪いところを

兄妹で分かち合ってしまった

 

母さん。ごめん。

 

 

でも、これが

母さんが育てた子どもの考えです。

 

 

 

 

 

 

 

初めに書いた通り

私にとって母は

なくてはならない存在であり

なくなってほしい存在でもある

感謝の気持ちは忘れていない

だけど

私は私なりの

人生を歩みたいと思う

 

 

母からもらった

健康な体で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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駄文、失礼しました