児童養護施設から自立した話

児童養護施設出身の筆者が綴る大したことのない日常の話

学園祭の話①


大学の学園祭での思い出は

出店を運営したことだ

 


私が在籍していた学科では

毎年ホットドックを売っていた

といっても

ある先輩が

「学科で何か出店しようよ!」と

なんとなく始めたのがきっかけらしい

歴史とか伝統とかよりも

「先輩がやっていたから」という

ニュアンスだったのだろう

しかし

その出店を運営している

先輩方の熱心な姿に

憧れた

 


私たちの学年が中心となって

運営する時があった

私たちは

資金集めやチケットの印刷

場所取りのくじ引き

材料調達から当日の準備

学科の先輩後輩への協力依頼

沢山のことを分担して実行した

 


私は

お金のやりくりをする担当をした

会計担当といったところだ

 


私が会計を担当しようと考えたのは

前年度のやりくりの仕方が

あまり良くないと考えていたからだ

当時お金に困っていた私は

大学生の杜撰な金銭管理に

呆れていた

しかも

打ち上げに会費が必要で

思い出はできたが

せっかくなら

売り上げた金で飲もうや!

と思っていた

 


私はまず

資金繰りに着手

誰からいくらお金が集まるか考え

そこから

どういうものを仕入れて

どういう風に作って

1本売れるごとにいくら利益が出て

最終的にどれくらい儲けることができるか

計算した

 


すると不思議なことに

売上金を使えば

飲み会がタダで開けるぞ

ということが分かった

 


私は同学年の仲間に

そのことを説明した

当然みんなテンションが上がり

やる気になった

 


私はまず

資金繰りの仕方を考えた

大学では

5〜10枚綴りの前売りチケットを

出店の運営に関わる人に

買ってもらうシステムが多かった

しかし

任意の購入であるため

購入を渋る人もいれば

断れずに購入して陰口を言う人もいた

だったら

購入者にメリットをつけよう

私は

「前売りチケットを購入した人には、自分用のホットドック1本無料、さらに売り上げに合わせて、打ち上げの参加費が安くなります。学祭後、タダで飲み会することが出来る可能性あります。」

と説明しチケットを売った

確か10枚綴りで2000円とかだった気がするが

みんな快く買ってくれていた

 


私はお金の管理をしていたが

物資を購入したり運んだりすることを

主とする仲間もいた

車を持っている友達だった

私にできないことをしてくれている

私は

その仲間にガソリン代を

最後の売り上げから渡そうと考えていた

準備や場所取りなど

資料を確認したり会議に出たりした

仲間もいた

 


私は正直

実働してものを運んだり準備したり

会議に参加したりすることは苦手だ

面倒臭いし

助かるなあと思っていた

 

 

 

当日

テントを立てて販売を開始した

私たちはそれなりに売り上げ

先輩も後輩も

店番を代わるがわるしてくれた

 


当日の売り上げが単純な利益に繋がるため

チケット購入者に

宣伝と店番を依頼した

後輩たちの参加も良く

先輩たちも良くテントに来てくれた

 


部活やサークルの仲間を連れてきて

沢山買ってくれる人もいた

卒業した先輩や

教授まで巻き込んで売った仲間もいた

コミュ力低めの私は

尊敬した

 


学祭は3日間あったが

ホットドック

昼食としてちょうど良かったのか

2日間で

当初予定していた分を売り終えた

これはやばいと

その日の夜に材料を買い足した

 


私はその都度計算した

売り上げの中から

3日目にどれくらい売れるか予想し

どの程度だったら買い足しても

問題なく運営できるか

 


面倒ではあったが

売り上げが増える期待感と

目標をクリアしていく達成感で

とてもワクワクしていた

 


3日目も大繁盛

予想をはるかに超えた利益が出た

残った材料もわずかしかなく

私たちの夜食として

ちょうどよく消えた

 

 

 

私は

最後の片付けの時

車で買い出しに行ってくれた友達に

ガソリン代+手間賃を渡した

最初は「大丈夫だよ」と言われたが

私は納得しなかった

実働してガソリン使って

それはタダでしてもらおうなんて

都合が良すぎる

貢献してもらったんだから

これくらいは出す

これを渡したところで

飲み会やら利益やらに影響はない

もらえ

 


といって

半ば強引に押し付けた

友達には

とても喜ばれた(と思う)

 

 

 

打ち上げは学祭終了当日ではなく

より多くの人の参加を促すため

最初から1週間後辺りを狙って店を予約した

打ち上げは

チケット購入者はタダ

しかも

それでも大量に利益が残ったため

ビンゴゲームを開催し

利益で景品を購入した

 


私は

きちんと金銭管理し

みんなに還元したことを伝え

感謝の気持ちを表すために

会計報告書を作った

収支を合わせ

みんなに配った

 


学科のみんなには

とても感謝された

ここまで面倒を見てくれて

頑張ってくれて有難うと

 

 

 

私は今回

好きなことを好きなようにした

結果

仲間が役割分担をしてくれて

私が苦手なことをせずに済んだ

だから上手く行った

 


ああ

働くってこういうことか

 

 

 

どこかから集めたお金を使って

より良いものを作り売り

それを参加者に還元する

私たちはその過程を楽しみ

いい時間を過ごす

 

 

 

こうやって社会で生きていければ

幸せだろうなと思った

それと同時に

仲間に恵まれたんだと思った

 

 

 

 


私たち運営スタッフも

チケットを購入していたため

飲み会はタダだった

とても

いい経験をした

 

 

 

 

 

 

ちなみに

会計報告の中に

「運営費」という項目があった

その中には

テントなどの当日の設備代含め

私たち運営仲間の

お給料も入っていた

 


質問も特になかったから時効だろう

運営仲間には

給料を渡した

そして

割り切れなかった端数は

みんなの提案で

私がもらった

かなりニヤニヤしていたと思う(気持ち悪っ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ

楽しかった

懐かしい思い出が蘇った

 

 

 

 

 

 

もし今

そういう仕事ができたら

もっと幸せだろうな