児童養護施設から自立した話

児童養護施設出身の筆者が綴る大したことのない日常の話

カンニング

CNN.co.jp : カンニング防止で生徒に段ボール箱かぶらせる、学校に批判 インド

 

 

 

笑った。面白い。

 

 

 

こうまでするということは

余程カンニングする人が

多かったのだろう

 

 

 

 

 

 

私が高学年の担任だったときを思い出す

 

 

 

 

 

テストを実施するときに

「せんせー!Aくんが、見えるところに教科書をセットしてまーす!」

という声が聞こえた

Aくんは、気まずそうにして

教科書をしまっていた

「それは、いけないねー。きちんとしまっておいてよー。」

と言った後

「ちなみに、なんでカンニングしてはいけないのか、みんなは考えたことある?」

と、子どもに問いかけた

 

「勝手に見てはいけないから」

「人のを盗んだことと同じだから」

「自分の力でしないといけないから」

などなど

色々考えて答えてくれる

 

私はこう問い返した

「そもそも、なぜ、テストをするの?」

 

子どもたちは

「成績をつけるため」と答える

 

そこから私はこのように答えた

「そう。成績をつけるためだよ。先生は、みんなの力を正しく評価して、その人に合った勉強の仕方とかを考えないといけないんだよ。先生は、得意なことを伸ばして、苦手なことを少しでもできるようにしてあげたいんだよね。テストの点数でみんなの力を確かめて、先生たちは授業の仕方を考えてるんだよ。でも、カンニングすると、正しい力を見ることができない。カンニングして、本当はできないことを『できる』と判断されたら、その時はいいかも知れないけど、後々困るのは自分だよね。いい点も、悪い点も、自分の今の力だから、きちんと受け止めることも大切だよ。もちろん、みんなの保護者の方には『点が悪くても、叱らないで、やり直したかどうかをしっかり見てあげてください。子どもは失敗をしないと伸びませんから。』と伝えてるからね。安心して悪い点をとっていいからね。もし、悪い点をとってしまって、周りの人にバカにされたら先生に教えて。バカにした人をめっちゃ叱るから。」

 

ポカンとしている子どもたちに

続けてこう言う

 

「まあ、嘘ついて100点とる人より、正直にやって5点とか取って『えへへ』とか言ってる人の方が、断然いい奴だと思わない?」

 

子どもたちから笑いが出る

Aくんも笑っている

 

「一番偉いのは、きちんと勉強して100点とることだからね。それを忘れちゃいけないよ。」

 

うんうんと頷く子どもたち

 

「ま、カンニングは、一応不正行為だからね。もし先生がカンニングを見つけたら、どれだけ勉強できる子でも、0点だから。そこは厳しく行くからね。では、始めまーす。」

 

こうして

私は問題用紙を配り

テストを始めた

 

 

 

そのテストを返却するとき

子どもたちにこう伝えた

「テストが終わって、みんなそれぞれ点数が出たよね。やり直しは、カンニングしていいよ。

と言った

 

子どもたちから「えー!?」と言う

続けてこう話した

 

「テスト終わって、出来なかったところは、教科書見てでも、友達に聞いてでも、間違えたところの正しい答えを理解しなきゃ。カンニングしちゃいけないのはテストの時だけ。間違えたところをなんで間違えたのか、どうやったら正解になったのか考えるのが、やり直すってことだよ。」

 

こう話して

私は子どもたちのやり直しをチェックした

 

 

 

 

 

 

私は

子どもが大人になっていく過程で

単にルールで縛られるのではなく

そのルールが何の為にあるのか

ルールを守ることにどんな意味があるのか

子どもたちに理解させようと

努力していた

そうする事で

子どもたちが、常に色々なことを考え

自分で生きる力を身につけてほしいと

願っている

 

 

 

 

 

 

まあ

自分の価値を

子どもに押し付けていることには

変わりないのだが

 

 

 

 

 

んー

教育って

難しい