児童養護施設から自立した話

児童養護施設出身の筆者が綴る大したことのない日常の話

2度目の採用試験

 

 

 

 

私は

大学の時に受けた自治体を

再度受験したかった

でも

試験勉強はあまりできておらず

仕事にかまけて

準備は疎かになっていた

 

 

 

ある日教頭先生に言われた

「お前、採用試験どうするんか?おれが指導してやるぞ!」

教頭先生は体育会系で

国立大学附属学校での勤務経験のある

優秀教員だ

そして

コワモテだった

 

 

威圧するつもりも何もないのでしょうが

私はビビってすぐに

「はい!お願いします!」と言った

 


ん?予定と違う?

 

 

 

その時は深く考えておらず

当時の彼女が同じ自治体で働いていたため

それでもいいかと軽い気持ちだった

 

 

 

 


一次試験はペーパーだった

もちろん

勉強はあまりしていなかった

なんとなく過去問を解いて

なんとなく参考書を読んで

終業後の職員室で

試験の1週間前から

1日30分くらい

適当に勉強した

 


一次試験が行われる時期は

ちょうど成績をつけている時期で

ただでさえ業務量が多いのに

とても大切な仕事が積み重なり

勉強どころではなかった

 


がしかし

一次試験は通過した

何か紙に愛されている気がした

紙の神

ご利益はなさそうだ

 

 

 

2次試験は夏休み期間中だった

 


私の職場の自治体は

圧迫面接を行うことで有名だった

私は

圧迫された時にどう答えるか

様々な想定をした

 

 

 

いざ試験に向かい

面接官の前に座る

「今の学校、どう?」

 


えっらいフランクやな、おい。

 


面接は

今の仕事の様子が中心だった

答えやすい事ばかりで

拍子抜けした

 

 

 

手応えは悪くなかったが

前回の失敗があるため

なんとも言えなかった

それよりも

夏休み明けからがハードすぎて

合格発表どころではなかった

 


ある日

「合格発表が出ている」という

噂を聞いて

職場のパソコンで

合格発表のページを開いた

 


私の番号はあった

 


その当時の学年主任の先生が

お祝いにケーキを準備してくれた

ありがとうございました

甘いものは苦手だったが

その時はとても美味しく感じた

 

 

 

こういうご縁があり

今の自治体で働いている