児童養護施設から自立した話

児童養護施設出身の筆者が綴る大したことのない日常の話

ひとり親の苦悩

先日、母1人の子育て世帯の母親と面談しました。母の困り感を聞き取りながら、今の課題や今後の見通しなどについて小一時間話をさせてもらいました。

 

 

その中で、母親が言ったことが気になりました。

 

「ひとり親だから、周りに相談できなくなって。私がきちんとしなきゃって思うと、つらくて。」

 

この方は、離婚したことで親族から絶縁されたそうです。離婚の原因は父のDVらしいのですが。

 

 

 

ひとり親って、ものすごく大変です。

「子どもの世話」って、一言で言えますよね。

でもその中に、朝食の準備、子ども起こす、身支度確認、洋服確認、持ち物確認、送り出し、学童の迎え、夕食の準備、学校書類の確認、洗濯、食器洗い、風呂、着替え、寝かしつけ…。まだまだ細かいことを言えばもっともっともっとあります。

 

子どもの世話って父母で協力してやるものです。ひとり親って、全部ひとりでするんですよね。うん、もう単純に、マジ尊敬。シンママ、シンパパ、すげー。

兄弟児が多ければ多いほどめちゃくちゃ大変ですよね。本当にすごい。

 

 

でもなぜか、ひとり親って、「離婚してしまった申し訳なさ」みたいなものがあるみたいです。社会がそういう目で見るからかな。

離婚の道を選び、1人で子育てする選択をしたのは母親に間違いないので、その責任は大きいのですが。

 

 

私も小1の頃から母1人でした。弟妹合わせて3人の世話を、1人で約9年間続けていました。結果的に、母は精神疾患になり、私たちは施設に措置されることになったのですが。

でも、私はひとり親だったこと自体は不幸だと感じませんでした。母が私たちに、愛情をかけて育ててくれたことを理解していたからです。友達にも、ひとり親のところはいましたし、そうじゃない友達でも、ひとり親のことを馬鹿にするような人は、私の経験ではいませんでした。

 

ひとり親に偏見を持つのは、決まって大人です。「片親じゃかわいそう。」「ちゃんと面倒見れるの?」とか、偉そうに言う人は未だにいます。

たしかに、子どものことを考えていない親もたくさんいます。昨今の児童虐待のニュースを見てもわかるように、批判されるべき行動をする大人はまだまだいます。

でも、それを「ひとり親だから悪い」とか「離婚したから悪い」とか、一括りに語る大人がいるから、ひとり親が周りに相談できなくなっていくのです。

子どもの責任を負えるのは、1人しかいないんですよ。ひとり親の抱えるストレスやプレッシャーは半端ではありません。想像力働かせましょうや。

 

日本の最近の離婚率は、35%くらいだそうです。結婚したカップルの3組に1組が離婚してる計算です。それを考えると、ひとり親なんか山ほどいますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ひとりで子育てされてる親御さんへ〜

本当に、毎日大変だと思われます。楽しいことより、しんどいことの方が多いでしょう。どうか、世間の歪んだ意見に負けず、生活を続けてください。もう、しんどい時は、休んでいいんです。食事与えて寝床与えるだけで上等です。上手く行かなくてもいいんです。

ただ、お金や時間をかけられなくても、愛情だけはかけてあげてください。子どもはそれを感じて育ちます。子どもを愛してあげてください。

 

 

 

 

理解者は必ずいます。