児童養護施設から自立した話

児童養護施設出身の筆者が綴る大したことのない日常の話

居場所をください

先日、何気なくテレビをつけると「居場所をください」という番組が放送されていて、気になって視聴ました。

https://www.fujitv.co.jp/b_hp/ibasyowokudasai/index.html

居場所をください - フジテレビ

 

 

番組詳細にはこうありました。

育児放棄、虐待、いじめ、非行…傷だらけの子どもたちがいる。社会とも家族とも関われない、これまでにどこにも居場所がなかった彼らとどう向き合えばいいのか。どうすれば社会復帰させてあげられるのか。親や環境の問題で「居場所」を失い、不登校、引きこもり、非行に走る子どもたちに、熱血先生たちが「居場所」を作り、24時間、全身全霊で向き合ってゆく。

 

この番組に出ていた「支援者」は、居場所を失った子どもを救い、なんとか社会で生きていくことができるように、努力されていました。賛否両論あると思われる内容でしたが、今の社会の現実と向き合うきっかけになる番組なのでは、と思いました。

 

 

 

ここで私の批判的意見を1つ挙げるならば、この番組では、親子の出来事について詳しく触れられていない、ということです。

本来、子どもの居場所を作るのは親です。親が行き詰まった理由、子どもが家庭や学校で不適応を起こした理由、そして、家を離れなければならなくなった理由。それらの根本は親子関係にあります。それには触れられず、子どもを救う方々にスポットが当てられた。

当然、支援者がいることは大切なことですが、現実を見て、予防的に何ができるか考えることが重要です。「救いの手があるから安心」とは言えません。

 

当然、子ども自身の性格行動が親と合わなかったことも考えられます。それはしょうがないことだとしても、いじめ、貧困、虐待、不登校などの諸問題は、なかなか改善されません。

 

 

 

では、その予防線を張るのは誰か。それは社会、ひいては行政です。行政が何をすべきかは、ここで一概に言うことはできませんが、多分やることはいっぱいあるでしょう。

 

私個人として意見をするならば、「社会が子どもを育てるという意識を国民につけていき、それに関わる支援制度をどんどん広めていくこと」が、行政がやっていくしかないでしょう。

 

 

ぶっちゃけ、活用されてない制度はたくさんあります。それをどんどん市民に広めるのも、児相の役割かと。

しかし、児相は児相で、目の前の対応に追われている現状もあります。制度を伝える前に、今困っている子どもを救うことで手一杯。それすら追いついていない状態が続いています。

 

 

 

 

 

 

メディアがきっかけを作ったわけですから、これについていろいろ議論されていくことが望まれます。

 

 

 

居場所がない子どもたちを救い、そのような子どもを増やさないためには、私たちは何をすべきでしょうか。今一度、考えてみてほしいのです。いち、児童福祉に携わる人間のつまらない話でした。