児童養護施設から自立した話

児童養護施設出身の筆者が綴る大したことのない日常の話

怒鳴っても、いいことはない

私は、怒られることが苦手です。

 

 

 

幼い時、よく親の顔色窺いながら生活していました。私にとっては悪い親じゃないのですが、怒るとそれはそれは怖く、頭バチンとやられることも少なくありませんでした。しかも、親のその日の気分で叩かれたり叩かれなかったりしました。だから私は「不機嫌=叩かれる」と学習し、「親が不機嫌にならないように立ち振る舞おう」と考えました。

それが、小中学校での交友関係に繋がりました。いろんな友達がいましたが、とにかく「不機嫌じゃなくて、怒らない人」と仲良くなりたいと考えました。でも、人間って感情があるから、たまには不機嫌になるし、怒ることだってありますよね。友達は増えませんでした。

しかも、私は(自称)軽度アスペなので、相手の気持ちを汲み取ることが苦手です。悪気なく言った言葉で相手を怒らせた経験が、何度もあります。

 

悪気なく怒らせて、怒っている人苦手で、怒られないように怯えながら生活する。そうやって私は残念な生き方をしていたのです。

 

 

 

今、仕事をしていても、フラッシュバックすることがあります。虐待親って、大体感情的で、「子どもが悪くて叩いとるのに、何が悪いんか!」と怒鳴られることも度々あります。「お前ふざけるなよ!」「今からお前のとこ行くからな!」とか言われると、昔を思い出して、辛くなります。

 

1度、電話口で怒鳴られて、なんか分からないけど、こっちから電話切ったことがありました。もうムリ!と思って、状況を所内の警察関係の人に相談しました。すると

 

「そういう時は、切っていいよ。怒鳴って言うこと聞かせようとするのは脅迫罪だから。『怖かったので、切ってしまいました。』でいいよ。日を改めてもまた怒鳴るなら通報したらいい。」

 

なるほど。切ってよかったのか。

それからは、怒鳴られた時はそれを思い出すようにしています。そして私は「怒られても、命取られるわけじゃない。」と開き直って、なんとか仕事を続けることができました。

 

 

 

 

 

 

 

自分の感情だけで相手を怒鳴り散らして脅す行為は脅迫罪。この知識は社会に出て役に立つ。そう学びました。親が「お前、言うこと聞かなかったら漢字10ページ練習だからな。」と言うのも脅迫になるみたいです。

 

もちろん、子どもが人を傷つけたり、お金を盗ったりするなど、法に触れるような行為があった時は、子どもの"間違った行為のみ"を叱るべきです。しかし、その行為をきっかけに感情的に怒鳴り散らしてはいけません。法律違反ですし、子どもの心の成長にとっても良くありません。

 

 

 

 

 

もういっそ、学校で「相手の気持ち考えよ」だけじゃなく「そんなことしたら警察捕まるで」も上乗せで教えてみるのも、いいかもしれませんね。