児童養護施設から自立した話

児童養護施設出身の筆者が綴る大したことのない日常の話

生育歴

生育歴って、知っていますか?

↓「生育歴」とGoogleで調べて1番上にあった記事です。

カウンセリングにおける生育歴とは - 心理カウンセラーの種

 

この記事によると、

生育歴とは一言でお伝えすると、生まれてからあなた自身が今日まで育ってきた歴史の事

らしいです。精神科受診やカウンセリングではよく用いられます。

 

 

子どもの支援を考えるとき、親や関係者から聞き取った状況から、その子の生育歴をつくります。

 

これを聞き取ることは、とても大切です。それは、何歳の時にどんな経験をしているかが分かることで、その子にとって必要な支援は何か、推測することができるからです。むやみやたらにマニュアルに当てはめず、適切な支援を行うためです。

 

 

ただ、あくまで、推測です。

 

 

推測というものは怖いもので、1度推測してしまうと、推測が固定観念になってしまい、それがそのまま支援計画に組み込まれることも少なくありません。

しかしながら、ある程度予想して動けば、スムーズな支援ができる、というメリットもあります。

ただ、推測したうえで、当事者の声を聞き、客観的に判断することが大切です。どうしてそうなったのか、何が原因か、解決策は何か、児相と家庭が協力して考えていきたいと、私は思っています。

 

 

 

ただ、私が経験した中で、一番良かった生育歴の作り方があります。それは、子どものことで悩んでいる親と一緒に、面談しながら生育歴をつくることです。

 

書きながら、話しながら、だんだんと生育歴が出来上がるにつれ、その親は「これが影響しているのかも」「これを反省しないといけないかも」と自身の気づきになったようで、こちらからの助言もとても入りやすかったのです。今では、親子仲良く過ごすことができています。(今後変化がある可能性もありますが…)

 

注意点は、その親が支援を求めており、児相との関係が悪くないことです。虐待する親なんかは、この方法には絶対乗ってきません。

 

 

 

 

虐待されている子の家庭は、基本的に社会から切り離された環境で生活している場合が多く、生育歴が推測でしか作れないことが多いのです。被虐待児は、虐待による心理的影響で、自分の気持ちや意見を言えず、児相が子どもの声を真に聞くことができないことが少なくないのです。子どもも、すでに大人を信じることができない状態になっているわけですから、難しいですよね。

 

 

 

それでも、児相は、子どものためにできることを、ただひたすらやり続けるしかないのです。子どもの声を聞く努力をして、出来るだけ正常な方向に行けるように支援し続けないといけないのです。

 

と、私は思います。