残業について〜教員の給与を考えてみた〜
公務員の世界にも、残業があります。(当たり前か)
残業に合わせて残業代が出ます。これが当然っちゃ当然なんですけど、これが教員時代から大きく変わったことです。
教員時代と児相で比べると、残業時間自体は大きく変わりません。(平均月40時間くらい)それどころか、教員の時の方が残業時間長いほどです。しかし、児相に異動して、給与がかなり増えました。
ご存知の方も多いと思いますので割愛しますが、教員は給与の4%が上乗せされており、それがみなし残業代として支払われています。児相職員にはそれはありません。それでも給与は児相の方が遥かに高くなりました。残業代がきちんと出ている証拠です。また、児相にいながらこの程度の残業で済んでいるのは、先輩方職員がたくさんフォローしてくれているおかげだし、そのシワ寄せが上司に行っていることは間違いありません。
ちなみに私は、同期の教員から、「めっちゃ早く帰れてるね!いいなー!」と言われていました。教員の世界では、月40時間の残業が「とても少ない」と認知されていたのです。
世の中の多くの方々からはいろんな意見があると思います。いろんな意見があることを想像したうえで申し上げると、教員には、もっと給与を与えるべきだと思います。
私が計算したところ、教員時代の給与と、現在の給与(残業抜き)では、ほとんど差はありません。ちなみにこの給与、私の体感ですが、妻と子ども1人養うのはなんとかなりますが、子ども2人目は躊躇するレベルです。そして消費税は上がり、物価もどんどん高くなっています。
もちろん、子どものためと思えば、教員の方々はお金云々ではなく、しっかり働くべきだと思いますが、それにしても割に合わなさすぎると思います。同じ「子どものために働く」児相とこんなに差があっていいものですかね。教員の方は、子どもの教育だけでなく、安全確保も重要で、その責任は重大です。責任の重さに対して割に合わないな、と。
しかも、その給与の実態を知ったのは、教員になった後です。昔、教員の仕事が辛くなって辞めようと思い、転職サイトサーフィンしたとき、どの求人にも、給与については明記してます。そこに「基本給これくらいですよ」「みなし残業何時間で何円ですよ」くらいは書いてます。もしかしたら、教員採用パンフレットのどこかにちいさーく書いてあるのかもしれませんが、私は明記されているところを見たことがありません。これって、いいの?
教員の採用試験の倍率はどんどん下がっています。残念なことに、教員は不人気な仕事になっちゃってるんです。
もういっそのこと、国や自治体は、教員の給与めっちゃ上げて
- 勤務時間平均12時間!
- 持ち帰り仕事多数!
- 残業代出ません!
- 子どもに対する責任重大です!
- 不祥事があったら即刻免職です!
- やりがいはあります!国の未来を担う人材育成しませんか?
って宣伝してみてはどうですかね?基本給50万スタートとかで。
優秀な人材は、安い月給の会社に進んで就職するほど馬鹿ではありません。優秀な教員を集めたかったら、教員にコストをかけるべきでしょう。教員にコストをかけて、教育の質を上げることが、子どものためになるのではないのでしょうか。
だいぶ暴力的な文章になりましたが、これは、教員に限った話ではありません。同じように安全を確保しながら長時間を安い給料で働く保育士さん、ネット普及によって需要の増えた物流関係者、生きるために必要なのに後継者不足の農林水産業、等々。社会にとって大切な役割を担っているのにも関わらず、それ相応の対価を支払われていない人が山ほどいます。
お偉いさんよ。国民の現状を見てくれ。日本国民がもっと幸せになるためには何が必要か、やるべきことはたくさんあるのでは?
ちょっとネガティブな話題ですみませんでした。でも、私が今の日本に不安と危機を感じているということが伝われば、と思いました。