児童養護施設から自立した話

児童養護施設出身の筆者が綴る大したことのない日常の話

小学校〜中学校の頃の家庭

初めは伯母さんのアパートに住んだ

そこには年上の従兄弟がおり

それなりに仲良くしていた

 


母と伯母はしょっちゅう喧嘩をしていた

似た者同士、衝突するのかとも思っていた

結局、近くのアパートに引っ越すことになる

その後も、近隣の住民とのトラブルや

子どもの成長に合わせて

何度か引っ越した

たまに父が遊びに来たりしていた

 


母は保険の営業をしていたが

そのうち、訪問販売に仕事を変えた

1人の稼ぎで子を育てるのは大変だろうに

朝晩の食事はいつも手作りで

必ず家族全員で食卓を囲んだ

ちょいちょい彼氏ができ

家に呼んでいた

彼氏という男性から

ゲーム機だのコタツだのビデオデッキだの

いろいろ貰っていた

母はある意味逞しく生きていた

 


母は離婚後

父との交流があったことや

トラブルがあったことから

実家と疎遠になっていた

私たち兄妹も

頼れる身寄りは母しかいなかった

 


私は母にいじめのことは相談しなかった

母が大変なことも知っていたし

これ以上心配をかけたくなかったからだ

 

 

 

 


中学生2年生の頃

いつも1番に起きて換気扇の下で

タバコをふかしている母は

兄妹で1番に起きてきた私に

「お母さん、入院するかもしれん。」

と言った

正直、母に心労があり

体調や精神に変化が出ていたことは

子どもの目から見ても明らかだった

 


私は

「きついときは、休んだらいいよ。家のことはなんとかするけん。」

と言った

気丈だった母が私に悩みを言ったこと

それを私に打ち明けたこと

余程深刻だと感じた

私は、「家族を支えよう」と思った

 


母はそれから入退院を繰り返すようになった

ご飯は、同居した伯母とはまた別の伯母が

たまに作りに来てくれた

それ以外は自分たちで準備した

長期で入院することがなかったこともあり

意外となんとかなった

 

 

 

私が中学を卒業するまで

母の精神は不安定なままだった

それが

私たちが家に居られなくなった原因になった