児童養護施設から自立した話

児童養護施設出身の筆者が綴る大したことのない日常の話

初めて作った曲の話

※身バレ覚悟です

 

 

 


高3の後夜祭のために

曲を書くことを

友達に提案した

 


 


作曲ってどうやってするんだ?

そもそも、歌詞から作るのか

メロディーから作るのか

そんなこともわからずに始めた

しかし

公言したからには

なんとしてもやらなければ

 


私は

ウォークマンに入れていた曲を

片っ端から聴きまくった

アイディアが出ることはなかった

メロディーってどうやってできるん?

 


施設に戻り

ルーズリーフに歌詞を書こうとしたが

なにも進まない

 

 

 

おわった、、。

 

 

 

 


そんなこんなで悩み続けていた

ある日の数学の授業中

この時期、文系のクラスは

センター試験に向けて数Ⅱ・Bの復習だった

数学の得意だった私は

とても暇だった

窓際の席で

なんとなく外を見た

 


風に吹かれて揺れる大木

その葉が舞い上がり

遠くへ飛んで行った

 


そのときのふと

これだ!と思った

高校3年、風、遠くへ

旅立ちだ!

 


そうして

数学のノートの1番最後のページに

思いついた歌詞を殴り書き

それを繰り返し読み

書き直し

施設に帰って

適当に気持ちの良いコードを抑え

歌詞の雰囲気に合わせてストローク

また歌詞を書き直し

コードに合わせて歌う

 


そうして

人生初めて

作詞作曲をした

コンセプトを決めて、一曲仕上がるまで

1週間もかかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


風乗-かぜのり-

 


退屈な授業中 ノートの隅に落書きして

いろんなフレーズ 思い浮かんでは

また消える

考えて 考えて 頭の中は言葉だらけ

嫌になって窓の外を見てみると

空が 唄っていたよ

 


大きなクスノキが バサバサと

音を立てて 揺さぶられていた

 


東行きの風に乗って あの街へ旅立とう

たった1つ 願い乗せて 遠い街へ

 


バスの中 たくさんの 大きな人が乗っていて

ちっぽけな僕が 1人 佇んでいるだけ

立ち止まり 見上げれば 青い空が雲で隠されて

薄暗い光が 僕の心を後ろ向きにさせるよ

 


希望なんてものは 小さいけど

それを目指せば 僕らは強くなる

 


南向きの窓から オレンジの光差す

窓を開けて 太陽を見た あの夕暮れ

 


故郷(ふるさと)に別れを告げて

出て行く覚悟も 出来ているさ

だから もう 遠い街へ

東行きの風に乗って さあ旅を始めよう

たった1つ 願い乗せて

希望の空へ

 


(作曲済)